*PROFILE* 主に旅行誌で活動中の女性エディター/ライター、平林朋子。 食と酒と猫と海と沖縄を心から愛し、国内外を行脚中。 雑誌・書籍の企画、編集、執筆、何でもおまかせください。丸ごと一冊発注もOK!


by nekonohana0330
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2010年 02月 18日 ( 1 )

旅の仕事をしていて何が楽しいかというと、その土地にしかない食べ物やお酒、
そして言葉に出会えるからだと思う。
今のようなバーチャルな時代は、ネットで何でも取り寄せられるし、
テレビで見たことのない旅行地も少ない。
だからこそ、「そこに行かないと触れられない」ものの存在はとても大きく、
価値があるのではないかと思うのだ。

取材先で、街中を歩いていると気付くことがある。
若い子たちが、方言を話していない。
ここは東京?と錯覚を覚えることもあるくらいだ。
仙台に生まれ育ち、今も住んでいる友人が、残念そうに言っていたことがある。
「テレビや映画の影響もあってか、方言を恥ずかしがって
みんな標準語をしゃべりたがる」と。
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独自の文化を育んだ沖縄でも、若い世代がウチナーグチ(沖縄方言)を
理解できなくなってきているという話も聞いた。
おばあやおじいたちの話をかろうじてヒアリングはできるけれど、
スピーキングができないのだという。
ことに沖縄は、「方言を話してはいけない」と定められた厳しい時代があった土地だ。
それでも失われなかった言葉が、今消えようとしているのだ。
2009年2月19日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発表した調査結果によると、
世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとし、
日本の南西諸島における諸方言=沖縄語もその対象となってしまった。
あの美しい言葉たちは、いつか聞くことが叶わなくなってしまうのだろうか。

言葉が失われると、文化も消えてしまうと思う。
しかし、標準語が話せなければ就職などに差し支えるということもあるだろう。
そこで思うのが、誇りを持って土地の言葉を話しつつ、
標準語も話せるようになることはできないか、ということだ。

私事だが、父親の転勤で幼い頃から数年単位で引越しを繰り返してきた。
そのたびに土地の言葉を覚え、その場所に馴染むようにしたものだ。
もともとは両親が福岡出身であり(家庭内では標準語をなぜか使っていたが)、
中学・高校は福岡だったこともあり、東京に長く以上住んでいる今でも
いわゆる博多弁を話すことはできる。
しかし、標準語には翻訳しきれない語彙が数多くあるのだ。
例えばだが、北九州の方言である小倉弁で「きさん、ぼてくりこかすぞ」は、
「お前、ボコボコにするぞ」という意味だと後で知って驚いたが、
それも意訳でしかないように思える。
本当のニュアンスは、もっと、こう、なんというか、きっつい感じなのだ。
関西弁で言えば、「どつきまくる」という感じか???

地方出身者は、母国語ともいえる方言を話すと、ホッとするはずだ。
仕事などでは標準語を使い、気の置けない仲間とは方言で話す「バイリンガル」になる。
そうすれば自分たちの言葉を、これからも守っていけるのではないだろうか。

小学校から英語を教えるなんてことはしないで、
まずは日本語、いや方言を大切にするところから
始めたほうがいいんじゃないかと思う今日この頃である。
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by nekonohana0330 | 2010-02-18 23:04 |